弘前・津軽料理処 大和家


弘前市百石町にある「津軽料理処 大和家」は、1923年(大正12年)創業の老舗郷土料理店。老舗ながら敷居は高くなく、気軽に入ることができる料理店です。津軽家庭料理でもてなして頂けるので、「青森を感じる定食屋」のような使い方もできます。店内には「弘前ねぷた」も飾られていて、観光客ならば旅情にひたることでしょう。

「けの汁定食(スタンダード)」(1,300円)

リーズナブルな価格ながら、数々の料理が並びます。

けの汁(りんごけの汁
青森郷土料理の筆頭格「けの汁」は、ダイス状に切った山菜野菜を味噌仕立てで頂く料理。「粥の汁」が変化して「けの汁」と呼ばれるようになりました。コメが貴重だった時代、山菜野菜を刻んでコメに見立てて食べたことに由来します。飽食の現代においては、ヘルシーな料理としてもっと注目されても良いと思います。
こちらの「けの汁」は、大和家オリジナルの「りんごけの汁」で、青森特産のりんごとナガイモが入っています。深みのある「けの汁」の味わいに、りんごのほのかな甘みとナガイモのザクザクとした食感が彩りを添えます。

ネハァー漬け
大和家オリジナルの「ネハァー漬け」は、弘前のお国言葉「そだネハァー」(そうですね)から名付けられたお漬物。なめこ、タケノコ、わらび、菊などの山菜野菜を昆布や数の子とともに漬け込んだ料理。数々の食材の旨みとぬめりが何ともクセになりそうな一品です。

ネハァー漬け・オンザライス。ネハァー漬けには白いご飯がピッタリです。

棒鱈と山菜の煮込み
青森ではお馴染みの食材である棒タラ(棒鱈)をフキ、タケノコ、ニンジンなどの野菜とともに煮込んだ料理。津軽特有のしょっぱめの味付けが、どこか懐かしい一品。味の染み込んだ棒タラが何とも美味しいです。


山菜の酢の物とゴマ豆腐
山菜を使った酢の物は、ちょっとした箸安めにもピッタリです。ゴマ豆腐はゴマの風味がたっぷりで美味しいです。

優しい味わいのお味噌汁も付いてきます。お味噌汁も付くということは、「けの汁」は汁物とは違う扱いなんですね。

りんごごはん(※350円)
大和家で是非試して頂きたいのが「りんごごはん」。「ちよちゃんのりんごごはん」の宣伝文句を借りて表現すると、りんごの酸味とホタテの甘みに、舞茸とごまの香りがハーモナイズする、青森県の食材を詰め込んだ炊き込みごはん。りんごはほのかな甘みを残す程度で、出汁の旨みをいっぱい吸い込んでいます。甘みと旨みのバランスは「栗ご飯」のようでもあります。青森県産食材がモリモリで、絶妙な美味しさが楽しめる見事な一品です。
(※定食のごはんをりんごごはんに変える場合、大幅に割引して頂けます。)
料理の美味しさだけでなく、細かい気配りまで頂き、大変満足しました。観光だけでなく普段使いにも利用できる優良店です。

ちなみに、まるごと青森さん(2007/05/07)の記事で紹介されている大和家の「手造りおにぎり」の大ファンで、青森空港でよく購入しています。「しじみ」のおにぎりがお気に入りです。
 

津軽料理処 大和家
青森県弘前市百石町47-1
0172-36-6633
11:00〜14:00
17:00〜20:00
年末年始・8/13・他不定