八戸・大野屋食堂


海岸線に沿うように高台を走るJR八戸線の「ジョーズ駅」…ではなく「鮫駅」。鮫駅から下っていくと、ウミネコ繁殖地で知られる蕪島にたどり着きます。八戸市の海沿いの地域には、いまだ震災の爪痕がはっきりと残っています。
鮫駅のすぐ近くの線路沿いに、マッチ箱のように立つ小さな食堂「大野屋食堂」を訪問してきました。青森ラーメンクイーンのさくらさん、ラーメン伝道師のOHAMAROさんを始めとする、多くのブロガーさんから絶賛される名店です。

お店の第一印象は「とにかく小さい!」。食堂のミニチュアに入ってしまったと錯覚するほど、店内は小さく狭いです。テーブル席も小さく、ひしめき合うように座ることになります。窓際にはカウンター席が並び、反対側には小さなチャブ台がおかれた小上がりもあります。メニューは「ラーメン」と「玉子丼」のみ。このブレのなさ、シビれます。

ラーメン(500円)
シンプルを絵にかいたようなラーメン。琥珀色のスープからはゆらゆらと白い湯気が立ち上り、ふんわりと優しい香りが鼻孔をくすぐっていきます。鶏や煮干の出汁を感じつつも、何かが際立った主張をする訳でもない、あっさりとした味わいのスープ。いきなりウマーと来るというよりも、すっと体に染み込んでいくような優しい旨みに包まれます。

見ただけで美味しさが伝わるようなルックス。ラーメンの具材はシンプルに、ナルト、メンマ、海苔、ネギ、そしてチャーシュー。琥珀色のスープの下では、細いちぢれ麺が引き上げられるのを待っています。

細いちぢれ麺が優しい味わいのスープを絡めてくれます。プリッとした程好い弾力も心地良く、スルスルと口の中に入ってきてしまいます。「クキっとし歯ごたえのあるやや熟成のしていない若い麺かな?」というさくらさんの論評には、舌を巻きます。

チャーシューは柔らかく、しょっぱ過ぎることもなく、優しい味わい。どの具材も無駄がなく、理想的なバランスで提供されています。
人情味あふれる店内の雰囲気、身を寄せ合うような独特の温かみが、ラーメンの一番の隠し味。美味しかったという余韻がしみじみと残ります。
八戸情報を精力的に発信されている∞doorsさんが、大野屋食堂の玉子丼もレポートされています。
 
大野屋食堂
青森県八戸市鮫町日出1
0178-33-0660
11:00頃〜16:00頃 (スープ切れ次第終了) 
日曜・月曜休